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出来損ないの天使

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かつて古代ギリシャの哲学者・プラトンがその著「ティマイオス」「クリティアス」で描いた、古代大陸 アトランティス 。強大な力を持ちながらもゼウスの怒りに触れて海に沈んたとされる夢の大陸―― アテネの賢人ソロソがエジプトの神官から聞いたとされるこの物語は、長らく、荒唐無稽な妄想としてゴシップのように扱われてきた。

アトランティス

皆さんはご存じだろうか、南極大陸が氷におおわれる前の正確な地図が存在することを? 世に有名な「 ピリ・レイスの地図 」がそれである。色々な説があるが、少なくとも1万数千年前には氷に覆われてしまったといわれる南極大陸、その本来の姿を正確に地図に描ける何者か―― ありえない、少なくとも我々の常識ではありえなのだ。だからこそ、もう一度先に述べた仮説を思い出してほしい。

南極大陸

しかし近年になり、科学技術の発展の恩恵も受け、地上のみならず海底の調査も急速に進み、次々と新しい発見がさてきた。自然ではありえない人工的な造形物、天変地異の痕跡、既知の理論では到底説明できない謎の数々。説明できない理由は明確である。人類以前に存在したかもしれない高等生物の存在を否定するが故に、行き詰るのだ。 
仮説でもいい、妄想と言われても構わないではないか。一度想像してみるといい。人類以前に存在したかもしれない、高度な知生体の存在を。

海底都市の遺物

ダーウィン は素晴らしい研究成果を残したが、同時に、大きな誤解を皆に与えた。いうまでもなく、それは進化論 である。現代の多くの人が大変な誤解をしている。環境に合わせて生物は適応するのだと。寒ければ体毛が伸び、乾燥が続けば保湿機能が備わると。そしてその理由を、「突然変異と、選別」だという。まるで馬鹿げた話である。生態を形成する遺伝子のパターンが、一体いくつあると思っているのか。どれほど突然変異を繰り返そうが、環境への適合が偶然に起こることはありえない。唯一あるとすれば、「適合するように予め遺伝子にプログラムされている」ことであり、それはとりもなおさず、進化論を否定する、 生物創造論 に他ならない。

進化論

そして・・・

出来損ないの天使

本作品は、アトランティスの滅亡を起点に、そこに一人残された人類の創造主の1万2千年ぶりの目覚めから始まる。 
目を覚ました彼が目にしたのは、変わり果てた地球の姿だった。鼠のように増え続けた人間によって食い荒らされた地球―― 
もう一度楽園を取り戻すべく、彼は悍ましい計画を企む。粘土細工のように創られては捨てられる出来損ないの生き物たち。 
本作の主人公、龍介もその中の一人だった。生まれ孤島を離れ、彼が辿りついたのは日本。人間の欲に翻弄され自らの哀しい出生を恨み憎む龍介は、再び逃げるようにして生まれ孤島へ。そこで彼を待ち受けていたのは…… 

出来損ないとは、本来の目的に合致しない、いわゆる「不良作品」を意味する。天使は、本来は神の遣いであるが、この物語に於いてはもう一つ別の意味を有する。 

そして自身の忌まわしき出生を恨み続けていた彼は、心ある人間たちの愛に触れ、ついに生きる真の意味を見つける――

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