top of page
  • Facebook Social Icon
  • Twitter Social Icon
  • Instagram Social Icon

エンジェル

皆さんは不思議に思われたことはないだろうか? 
かつてこの地球上には疑いなく神々がいた。今もなお残された数えきれないほどの記録がそれを証明しているのだ。それではいったい彼らは何故我々の前から姿を消したのか? 
神々の実在の記録は、およそ2千5百年前を境に、記録から修飾された伝承へと変わっていく。時の経過とともにリアリズムを失い、次第に創作されたファンタジーへとその姿を変化させているのである。 
そしてもう一つ特筆すべきことは、一つのオリジナルの物語からいくつもの派生した物語が作られ、それらはその時々の権力者たちの都合のいいように書き換えられているということである。従って、真実を探求するにはできる限り古い、限りなくオリジナルに近い記録を参考にしなければならない。そういう意味においては、旧約聖書は比較的期待できる歴史的文献ではあるが、それでも決して十分とは言えない

古代神話

そしてもう一つ、小生の思想に大きな影響を与えたもう一つの書物について紹介させていただかねばならない。それは、遺伝子学の権威である村上和雄先生の著作「生命の暗号」である。この作品を読んだのはもう十年も前になるが、あの時の感動は今でも忘れることができない。そしてそれ以来、小生は完全なる生物創造論者になり、進化論などまるで信じられなくなってしまったのである

創造論

DNAが生命の設計図であることは誰もが知るところだが、ひとつの細胞内に2種類のDNAが存在することを皆さんはご存じだろうか? 
一般に言われるDNAとは細胞核という部位にある核DNAのことで、それとは別にもう一つ、じつは ミトコンドリア という部位にもDNAが存在するのだ。俗にミトコンドリアDNAと呼ばれるものがそれだ。つまり生命の設計図が2カ所に存在するのである。 
細胞核が生物の姿態を決定するのに対し、ミトコンドリアは主に細胞へのエネルギー供給をつかさどる。いわゆる発電所のようなものだ。そしてこのミトコンドリアの活動は加齢と共に衰え、それに伴い細胞の活動も鈍化し始める

遺伝子の不思議

ノアの方舟は言うまでもなく旧約聖書に記された物語であり、最も広く知られるもののひとつである。しかしじつはこれはオリジナルではない。これよりもずっと以前、古代メソポタミアに、ほぼ同じ内容の物語が存在していたのだ。それが「ギルガメシュ叙事詩」に書かれた「ウトナピシュティム」の話である。ここでは詳細は割愛するが、是非 このサイト をご覧になっていただきたい。簡単に要約すると、エンリルという神が、傲慢になりかつ増えすぎた人類を滅ぼそうと大洪水を企む。とことがそれを阻止しようと、もう一人の神エンキ(エア)が、こっそりとウトナピシュティムにそのことを教え、方舟を造らせて彼と彼の家族、それに生き物たちの命を救った、という話である。 
ここで重要なのが、こっそりと人類を救った「エンキ」という神が、じつは人類を創造した神でもあるということである。そしてエンキとエンリルは犬猿の仲で、エンリルはかねてより人間を造ったエンキを非難し、その一方で人間という無尽の労働力を得たエンリルを羨ましく思ってもいたのだ。

ノアの方舟

今我々が検証することのできる最もオリジナルに近い文献は、おそらく シュメール文明 で残された石版や壁画の数々であろう。そこには何と、旧約聖書の原点ともいえる記録まで残されているのだ。ここではその詳細は割愛させていただくが、この分野の先駆者であり、すぐれた考古学者で言語学者でもある、今は亡き ゼカリア・シッチンの書をぜひとも読んでいただきたい。 
「優しい悪魔」をはじめとする拙著の多くは、彼のひも解いた古代史を基礎とし、そこに後世の、例えばエジプト文明等のいわゆる脚色された派生物語を用いて味付けを施している

ゼカリア・シッチン

太古の記録で最も驚くことが、あまりにも俗っぽい神々の姿である。利己的で感情的で、そしてきわめて淫猥なのである。後世になるに従い神々の姿は修飾され、慈悲深く思慮深い完璧なる姿に書き換えられていく。しかし、そうではない神々の姿が、確かに記録として残されているのも事実なのである。

俗っぽい神々

人類を創造した神は エンキ とされる。当時地球上に存在した下等な霊長類に遺伝子操作を施し、より知的で、より生産的な生き物をこしらえたのだ。ではなぜ? 
その理由は、労働力の確保である。そもそも神々がこの地球にやって来たのは、黄金を始めとする豊富な鉱物資源の採取が目的だった。しかし過酷な労働を強いられた下級の神々の間に次第に不満が鬱積し始める。それをみかねたエンキが、地を這いずり回る下等な霊長類に目をつけた。かれは遺伝子操作を繰り返し、ついにその霊長類を自分たちに似せた生き物に変えることに成功した。それが人類である。 
最初は都度一人一人に遺伝子操作を行い人間をこしらえていた彼もそれが面倒になり、 エンリル を始めとした他の神々の反対を押し切り、いよいよ人間に生殖機能を与えることにした。 
その後人間は雨後の竹の子のように増え続け、次第に傲慢になり、ついには神に抗い始める。

労働力としての人類

古代神話に頻繁に登場するのが、この「混血」である。言うまでもなくそれは「人類」と「神々」との混血である。古代史に名を残す王の多くも、この混血であった。彼ら混血は、神の特徴――すなわち卓越した頭脳に運動能力、そして人類をはるかに凌駕する寿命を誇っていた。 ネフィリム と呼ばれたその混血たちは増え続け、この地は彼らであふれ返った。美しい人間の娘たちに現を抜かした神々が、その精子をだらしなくまき散らした結果である。 
そしてその混血で最も有名なのが、かの ギルガメシュ である。ところがギルガメシュ叙事詩には不思議な記述がある。すなわちその体は3分の2が神で、3分の1が人間というものだ。神と人間とのハーフであれば2分の1づつだし、仮にクォータだとしても4分の3、もしくは4分の1のはずである。たんなる間違いなのか? いや違う。 
ここで先の遺伝子の話をおもいだしていただきたい。細胞の中に存在する遺伝の要素は2つある。核DNAとミトコンドリアDNAである。子供が生まれる時、核DNAは両親からそれぞれ受け継ぐから、それぞれ2分の1。ところがミトコンドリアDNAは母親のみから受け継ぐ。つまり遺伝の要素としては、3分の2が母親からで、3分の1が父親からなのだ。そして実際ギルガメシュの場合、母親が神で、父親が人間だったのである。だから3分の2が神だったわけである。

混血

そして現代、新たな物語が始まる…

エンジェル

ある時とつぜん謎の奇病が発生する。後に「老死病」と命名されたこの奇病は、人間のミトコンドリアの活動を停止させ、それにより発病した者の肉体はたちまち老化を始める。原因もわからるままこの奇病はたちまち世界中に蔓延し、人類をパニックに陥れる。

謎の奇病

とある考古学者が、奇病の原因に関するある仮説を思いつく。それは太古に神々が起こしたと言われる「大洪水」に通ずるものであった。すなわち人類の暴走を阻止する為に神々が仕掛けた最終手段だというのだ。そしてその後、それを裏付ける科学的根拠が次々と明るみに出る。 
もう疑う余地もなかった。こうなることを予見して、何千年も前に神々が、人類の遺伝子に「罠」を仕掛けていたのだ。そしてついにそのタイマーが起動し、いよいよ人類滅亡のときが訪れる――

神々の仕組んだ罠

人類が進化し、いつか彼らに牙を剥くことを恐れた神々は、恐るべき罠を仕掛けていた。そう、人類の遺伝子に。本作品は、神々が仕掛けた罠と戦う人間たちの、熱き魂の物語である。

CAST

博愛のストリッパー。 
人が喜ぶ姿を見るのが何よりも幸せ。 
しかしじつはその裏には遺伝子に隠された秘密が―― 
人類救済の鍵を握る、神の使わした天使

ジュリア

生物化学の権威。それでありながら進化論を否定する、生物創造論の支持者でもある。 
盟友京極とのつきあいの中で、次第に神話の世界に引き込まれていく。

五十嵐豊

異端の考古学者。 
若くしてシュメール語を極めその将来を期待されるも、保守的で権威主義的な連中に嫌気がさし、歯に衣着せぬ批判的な発言を繰り返した結果、半ば学会を追放されてしまう。遺伝子学の権威・五十嵐とは同郷の幼なじみで、今も無二の親友。

京極雅也

bottom of page